作家インタビュー第38回 一ノコトさん

インタビュー作家座談会

nikoli.com向けの問題を作っている作家にいろいろとおうかがいするコーナーです。今回のゲストは一ノコトさん。30代、独身男性。IT系の仕事をしているそうです。nikoli.comでは、ひとりにしてくれの問題を多く作っています。

(竹)小さいころはどんな遊びをしていました?

一ノコトテレビゲームが好きでした。友達の家を回って、いろいろなゲームをしていました。外でも遊んでいましたよ。当時はまだ自宅の近くにも空き地や公園がたくさんあったので

(竹)なにかパズルっぽいことはやっていました?

一ノコト小学校に入る少し前ぐらいに、迷路の本で遊んだのを覚えています。1冊、最後までやりましたよ。小学校に入ってからは、自由帳に自作の迷路を描いたりもしてしました

(竹)ニコリと出会ったのは?

一ノコト最初に見たのは、たぶんそのころ読んでいた学習教材に載っていたものです。ニコリのものだと意識してパズルの本を買ったのは、高校に入ってからです。電車通学をするようになって、電車の中で時間潰しにできるものを本屋で探した結果、ペンシルパズル本を買いました。たぶんナンスケの第1巻です。当時はまだパズルの種類も少なかったです

(竹)全部解きました?

一ノコト解きました。もともと通学途中にだけ解くつもりだったんだけど、結局家に帰ってからもやっていました。1カ月もかからなかったと思います。解き終わったらほかのペンシルパズル本も買って、1学期のあいだに4~5冊は終わらせました。そのあとこれはほかのことができなくなってヤバイと思って、しばらくパズルから離れました

(竹)かなりのめり込んだんですね。何冊も解いたということは、特定のパズルを気に入ったというわけでなく、いろいろなパズルを解いていたんですか?

一ノコトそうですね。このパズルはやってないから、今度はこれをやってみようかな、という感じで新しい巻を買っていました

(竹)まだ『パズル通信ニコリ』は知らなかった?

一ノコト書店ですぐそばに並んでいたから、知らなかったわけではないです。ただ、当時はなんとなく買いませんでした。『ニコリ』を買ったのは、大学受験のころです。たしか、スケコン(スケルトンコンテスト。与えられた言葉をスケルトンパズルの要領でできるだけ盤面に詰めこみ、その点数を競う企画)がおもしろそうだったから買ったんだと思います。もちろんいろいろなパズルが載っているのもあります。スケコンには何度か参加しました。最高で2位をとりました

(竹)それはすごい。2位は並大抵では取れないですよ。パズルはどのくらい解きました?

一ノコトまんべんなく解きました。1冊全部というわけではないですけど、いろいろつまみぐいしていました

(竹)初めて『ニコリ』に問題を投稿したのは?

一ノコト最初に載ったのは68号、大学1年のころです。ナンバーリンクと碁石ひろいが載りました

(竹)どうして作ろうと思ったんですか?

一ノコト直接のきっかけは、投稿の手引きのページを読んだことです。あれを読んで一般からの投稿を受け付けていることを知って、じゃあ投稿してみるかという気になりました。碁石ひろいにしたのは、当時解いていて、もうちょっと難しい問題を見てみたいなあと思っていたからです。もともと小学生で迷路を作ったりしていたので、問題を作ることについて気持ちのうえでの抵抗は特になかったです

(竹)好きなパズルはなんですか?

一ノコト解くのはだいたいなんでも解きますけど、やっぱりひとりにしてくれがいちばん好きです

(竹)どんなところが好きですか?

一ノコトこれまでにだいぶ作ってきて、作るときのコツがわかっているという安心感があります。最初にこのパズルを作ったのは、当時載っていた問題の解きはじめがいつも同じような決まりかただなあと思ったからです。じゃあ自分で新しい決まりかたを開発してみようと思ったんです

(竹)そういえば、同じ数字を2つずつ階段のようにずらして並べる配置を積極的に使いはじめたのは、一ノコトさんが最初かもしれません

一ノコトそうかもしれませんね。誰もやらないことをやるのが好きなので

(竹)他人がやってないことをやりたい性格?

一ノコトそういうところはあります。ボクの場合、なんとなく作っちゃうと、そのまま『なんとなくの問題』しかできなくて、おもしろくないんです

(竹)ひとりにしてくれ以外だと、ナンバーリンクもよく作られていますよね

一ノコトそうですね。好きだし、よく載せてもらっています。ぽっつさんほど作っているわけでもないので、自分では作るのがうまいとは思っていないですけど

(竹)彼は1万問作ったと豪語していますね。ほかには、波及効果でもよくお名前を見かけます

一ノコトそうですね。まだオモパのコーナー(『パズル通信ニコリ』で連載されている、新しいペンシルパズルのルールをみんなで考えるコーナー)に載っていたころから投稿していたと思います。独特なリズムが好きなんです

(竹)そんなに昔からのファンは珍しいかもしれませんね。嫌いなパズルは?

一ノコト嫌いじゃないけど、うまく作れないパズルはあります。スリザーリンクとか

(竹)スリザーリンクは変わったことはなかなかやりにくいパズルです。他人がやらないことが好きな一ノコトさんとは相性が悪いのかな

一ノコトでも、スリザーリンクにしても嫌いというわけじゃないです。数字のパズル以外のパズルも好きですよ。クロスワードなんかも作ります

(竹)オールラウンダーなんですね。問題を作るときにこだわっていることは?

一ノコトこだわりはあまりないです。そのとき思いついたことができればいいという感じです。ダメな問題はニコリがボツにすると思って、任せています。作ったあとの解き直しも基本的に1回だけです。何度も解き直して作り直す、ということはほとんどしません

(竹)パズルで自分を表現したい、という気持ちはありますか?

一ノコトどうだろう。あまり意識はしてないつもりです。でも、自分の名前が載っているのを見ると単純にうれしいから、少しはそういう気持ちはあるのかな

(竹)解く人を楽しませよう、という考えはありますか?

一ノコト頭の片隅では意識しています。パズルは解き手に楽しんでもらってこそだ、というのはわかっていて、作るときにもその思いがたまに頭をよぎります。だけど、基本的には好きなように作っています。作家の中には、徹底的にサービスできている人もいますよね。その人たちと比べるとぜんぜんできてないです

(竹)なるほど。考えているわけでも、考えていないわけでもない。独特の立ち位置ですね

一ノコト立ち位置がふわーっとしている自覚はあります

(竹)パズル以外だと、今はどんなことにハマっていますか?

一ノコトゲームセンターのクイズゲームや、ニンテンドーDSでよく遊んでいます。どちらかとインドア寄りです。中学校では陸上部にいたんですけどね

(竹)将来やってみたいことは?

一ノコト特にはないけど、パズルはずっとやっていたいです。歳をとったとき、頑固なおじいさんよりもひょうひょうとしたおじいさんになっていたいです。そのときどきで、いろんなことに興味を持っていたい。そして自分の好きなことをできればいいと思っています

(竹)なるほど。最後に、問題を解いてくださるみなさんへのメッセージをお願いします

一ノコトボクは楽しんで問題を作っています。そのうえで、解く人におもしろがってもらえれば、これ以上にうれしいことはありません。楽しんでいただけたらさいわいです。もしもつまらなかったらゴメンナサイ

(竹)今日は楽しいお話をありがとうございました


インタビュー : 2012年10月 2012年12月14日公開