作家インタビュー第12回 おがわみのりさん

インタビュー作家座談会

おがわみのりさんは、30代の独身男性。本業はサラリーマン。経理をやっているそうです。

(金)ペンネームの由来は?

おがわみのり茨城県にあったとなりどうしの町、小川町美野里町の名前をかさねただけです

(金)パズルとの出会いは?

おがわみのり大学へは実家から片道2時間かけて通ってたんですが、その車中のひまつぶしのための本を書店に探しに行って、ナンスケのペンシルパズル本を買ったのが最初です

(金)なんでナンスケだったの?

おがわみのりほかにもカックロや数独などがあったですけど、ルールを理解できたのがナンスケだけだったんですよ(笑)

(金)パズル通信ニコリはいつから?

おがわみのり40号(1992年12月発行)を最初に買いました。ぬりかべにはまりましたね

(金)作り始めたのは?

おがわみのりパズル通信ニコリを買う前に、ナンスケのペンパ本しかやってないころからナンスケを作ってました。特にきっかけはないんですけど、なんとなく作ってたんですよ。ニコリ40号を買って、すぐに投稿しました。42号にナンスケ2問、数コロ(当時あった数字のパズル)2問載りました

(金)当時はとてもたくさんパズルを作ってましたね。今も途切れずに作り続けていますが、その原動力は?

おがわみのり載ることですね。パズル通信ニコリへの投稿は、42号から欠かしてません。42号からずっと載り続けて、掲載誌をもらい続けているんですよ。やっぱり載ることがうれしいから続けられるんですね。送らないと載らないじゃないですか。だから送る、送るために作る、という感じですね

(金)パズルはどこで作ってる?

おがわみのり喫茶店や電車の中が多いです。イベントの待ち時間に作っていることもありますね。清書は自宅か喫茶店です。喫茶店で清書してそのまま郵便局へっていうパターンが多いんです

(金)へえ、そうなんだ。解き直すのも外で?

おがわみのりそうです。作ってその場で書き写して解いてみて、納得いかないところがあると手直しします。また解いて、OKなら清書に回します。かつてはナンスケのジャイアントで10回とか20回とか手を入れたこともありました。今は意識して手直し2~3回できちんとした問題にしようとしてます。それでもへやわけや数独で行き詰まるとかなりの時間をかけてますね

(金)なるほど。おがわみのりさんの問題の緻密な構成は、この手直しによってできあがるものなんですね。どんなパズルでも手直しするんですか?

おがわみのり初めて作る種類のパズルはあまり作り直さないんです。まだ手の内に入っていないので、解き直したときに手を入れるべき場所が見えてこないんですよ

(金)なるほどね。作り始める前に、方向性を決めたりするんですか?

おがわみのりパズルを作るときはなりゆきです。なんとなく作り始めて、そういう方向へ行きそうだな、と思ったら、そのときのノリで決めます。あんまり深く考えてないんです

(金)そうなんだ。手直しするから、最初はなりゆきでいいんですね。では、パズルを作るときに気をつけていることは?

おがわみのり手の運動にならないパズルにしたいですね。ただ埋めて終わり、というパズルはつまらないと思います。山がある、ストーリーがある作品にしたいんです。もちろん、最後まで理詰めで解けなければいけません。やさしい問題は初心者向けに作りますが、初心者にとってドラマがあるような問題をめざしたいです。大きい問題は上級者に思い切り楽しめるように

(金)いつもすんなり完成するんですか?

おがわみのりそんなことはないです。パズル作りは釣りのようなものかもしれません。釣りは、入れ食いのこともあれば、坊主のこともありますよね。パズル作りも、調子よく次々に作れるときもあるし、1問を直そうとして、あちこち手を入れてもどうしようもなくて、時間ばっかりかかっちゃって結局ものにならないこともありますから

(金)やっぱりそうなんだ。作るのが得意なパズルはやっぱりナンスケ?

おがわみのりそうですね。きっちりコントロールして作れるのはハードなナンスケだけだと思います。ナンスケはどうしても難しくなっちゃって、初心者向けの問題が作れないんですけど。ナンスケの次に得意なのはぬりかべですね。斜めに数字がくっついているのが多いみたいでして、意識しないで作るとそうなっちゃうんですよ。何ででしょうね(笑)。カックロや美術館も作りますけど、いい問題を作っているという意識がありません。自分はカックロや美術館でこんな問題を目指すんだ、という方向が見えてないんです

(金)ほかの人の問題はたくさん解いてる?

おがわみのり解くのはかたよってます。ナンスケはほとんど解きません。解くのが好きなのはぬりかべ、へやわけですね

(金)じゃあ、人のパズルに影響されることもあんまりない?

おがわみのりありませんね。あったとしても自分でそれに気付いてません。ボツってばかりだと気にはなりますけど、特に研究はしてないですね。感覚だけで作ってるんで(笑)。送った問題がみんなボツでも、ああ、そんなものなのかな、とすぐに気持ちを切り替えてます

(金)おがわみのりさんにとってパズルとは?

おがわみのり体の一部なのかもしれません。ときおり無性に作りたくなるときがあります。それでいて、のめり込んでいるという感覚もないのですが。結果として、パズルで自分の存在を認識しているのではないかと思います

(金)今後も作り続けますか?

おがわみのりいまのところやめるつもりはありません。自分のペースで続けられるところまで続けていきます。

(金)最後に、おがわみのりさんのパズルを解く人へのメッセージを

おがわみのり気が向いたら解いてください。解いてくれればうれしいです。解いてくれなくても、それはそれでいいかな(笑)


インタビュー : 2008年3月 2008年5月4日公開