作家インタビュー第9回 深駆さん

インタビュー作家座談会

深駆さんは21歳男性。教育学部で教育の歴史と哲学を勉強している大学生です。パズル以外の趣味は、推理小説の読み書きとゲームだって。

(金)深駆というペンネームの由来を聞いていいですか?

深駆いろいろ理由はあるんですけど、元は自分が書こうとして挫折した(苦笑)小説の登場人物の名前なんです。本当は名字もあるんですけどね

(金)子どものころからパズル好き?

深駆そうですね、ペンシルパズル自体はだいぶあとからなんですけど、パズルっぽいものは、昔から好きでした。幼稚園のころからですね。小学校低学年のころから自分でメイロを作ってました。小学校4年生のとき、コトバをばらばらにして並べ替えるパズルを自分で作って遊んでいたのがまわりに広まって、友だちと問題を出しあってましたね

(金)へえ、今ニコリに載っているセレクトワーズのようなパズルなんですか。10年先を行ってましたね(笑)。ペンシルパズルはいつから?

深駆市の広報誌に毎号小さいクロスワードが載ってたんですけど、それが好きで解いてました。毎回楽しみにしてましたけど、やっぱりもっと大きいものが解きたくて。クロスワード雑誌をやり始めたのは中2のころです。それまでは、パズルの雑誌があるということを知らなかったんですよ。ああ、こういう雑誌があるのか、と思って買い始めたのを覚えています。クロスワードの雑誌と漢字パズルの雑誌を高校生くらいまで買ってました。新しいのが苦手なんで、買い始めたら同じものを買うタイプなんです。保守的なのかな。一回慣れたら大丈夫なんですけど(笑)

(金)ニコリはいつから?

深駆高校1年の秋です。友だちの家へ行ったら、そこにニコリが並んでいて、何だろうとは思ってました。その友だちと一緒に本屋に行ったとき、これがニコリだと教えられて、その場で買ったと思います。パズル通信ニコリ96号でした。買って帰って、真っ先に表紙の暗号で悩みましたね。暗号で悩んだのは覚えているんですけど、実はあとはあんまり覚えてないんです。けっこうがんばって解いたはずなんですけど。それからずっと買ってますから、面白いと思ったんでしょう。ちなみにその友だちというのは、中学、高校と同級生で、大学も同じ大学同じ学部なんです。小説を書き始めたのも、その友だちの影響です

(金)パズルを作り始めたきっかけは?

深駆記念すべき100号からニコリに自分の名前を載せ続けたいと思ったからなんです。名前を載せるには問題を投稿するのがいちばんいいかな、と思いまして。その時にはペンシルパズル本を含めて何冊も解いていましたから、どんな風にすれば解けていくか分かりはじめてきて、これなら自分でも作れるんじゃないかと思ってましたし。刺激を与えてくれたのは、ゲサクさんの天体ショーです。大きな部屋ができて、すごいな、と思ったんですね。自分もこんなのを作ってみたい、と思いました。それで問題を送って、ぬりかべと天体ショーが載ったのが102号でした。だから、100号と101号にはパズル以外のところに名前があるんですよ。それから投稿を続けて載り続けています。受験のときも載り続けてましたね(苦笑)。志望校には入れましたけど、受験生はパズルなんかやってちゃダメだと思います(笑)

(金)深駆さんが目指しているパズルは?

深駆今模索しているところかもしれません。方向性は、初心者向けのらくらくの問題と、ある程度やりなれている人向けの問題の2つにわかれています。簡単な問題は、初めてそのパズルを解く人が、そのパズルの面白さに気がつくように作るのがいいと思ってます。慣れた人向けの問題は、見た目か解き味で見せ場を作りたいんです。自分の中では中途半端はダメで、それを突き抜けたパズルを作りたいと思ってます。どちらも作り甲斐はあるんですが、本音は、慣れた人向けの大きい問題を作る方が楽しいですね。ついついネタに走ってしまって冗長になってしまうことも多いんですけど。自分でも、まだつかみきれていないところがありますね

(金)パズルを作ってるときに考えていることは?

深駆やさしい問題を作っているときは、無心に。難しい問題を作っているときは、自分が作者だという感覚があまりないんです。どちらかといえば、自分は最初の解き手だと思ってます。うまくいくように解いている感覚なんですね。だから、作るということは、あまり意識してません

(金)へえ、理解はできますね。じゃあ、難しい問題を作るときは、最初から構成を決めているわけではないんですね

深駆そうです。難しい問題は最初は適当に置いてみるところから始めます。そこからどう展開できるかを考え始めるんです。たまたまうまく展開できるものが作品になるんですね

(金)なるほどね。深駆さんが好きなパズルは?

深駆好きなパズルはフィルオミノです。自分がいちばん遊べるからですね。面白い解き筋を自分の力で作っていけますから。やはり、決めやすさのあるパズルが好き。数独は作者の遊びの入る余地が少ないので苦手ですね。自分のやりたいことがやりやすいパズルが好きなんです

(金)深駆さんにとってパズルとは?

深駆過程が多少つらくても、最終的には楽しむためにあるものです

(金)ではパズルの楽しみとは?

深駆見た目もありますけど、考えていて、気がついて、そこから進めたときの感動、解ききっての感動を味わうことのほうが大きいですね。自分のパズルで、解いた人にそんな感動を与えられればうれしいです

(金)パズルを作り続ける原動力は?

深駆自分の問題を解いてくれる人がいる、ということです。解いてもらえないパズルはやっぱり寂しいなって思います。解いてもらうためには、自分で納得できる、自分が楽しめる作品を作らないとダメですよね

(金)では最後に深駆さんの夢を

深駆時には辛くて退屈かもしれない日々の生活の中で、ほっと楽しめるものがある、というのが理想というか夢です。お金や権力には執着がないんです。普通のところで普通の暮らしをしながら、パズルのように自分が楽しめるものが近くにあればいいと思っています


インタビュー : 2007年12月 2008年2月14日公開