作家インタビュー第25回 いかこさん

インタビュー作家座談会

いかこさんは20代後半。女性。今年結婚したばかりの新婚さんです。中学生のころからニコリに投稿していた常連作家さんで、2003年にニコリの社員になりました。社員としておもに新聞や雑誌向けの問題を作るかたわら、ひとりのパズル作家としてnikoli.comやニコリのケータイパズル数独に問題を投稿しています。今回は、パズル作家としてのいかこさんにお話をうかがいました。

(竹)小さいころからパズルで遊んでいました?

いかこニコリに出会うまでは、なぞなぞや頭の体操の本を読んだり、新聞に載っていたクロスワードを解いたりしていました。でも、そこまでのめりこんではなかったと思います

(竹)ニコリとの出会いは?

いかこ小学6年生のときです。町の図書館で『パズルでもやってみるか』(ニコリのパズルを集めたシリーズ本。絶版)を見つけて、タイトルにひかれて借りたのが最初です。ちゃんと方眼紙に書き写してから解きましたよ。まずナンバーリンク(同じ数字どうしを線で結ぶニコリのパズル)にハマりました。ルールがわかりやすいのがよかったです。数独や言葉のパズルもわかりやすいから気に入りました。カックロは、当時はルールがよくわかりませんでした

(竹)ニコリの雑誌『パズル通信ニコリ』を手にしたのはいつですか?

いかこ小6の3月1日です。家の近くにニコリの本を扱っている本屋さんがなかったので、ほかの用事で錦糸町に行ったときについでに買いました。木場に住んでいた小学生には大変なおでかけだったんですよ。36号を買ったんですけど、帰って中を読んでみたら、なんとその日はちょうど次の37号の発売日だったんですよ。懸賞もコンテストもみんな締め切りが過ぎていて悲しかったです

(竹)それは悲しいなあ。投稿を始めたのはいつごろですか?

いかこ37号でまず懸賞のハガキを出しました。何も当たりませんでしたけど。それから、コンテストや読者参加型の企画へと手を広げていきました。『何でもアンケート』という企画でニコリ特製のトレーナーをもらえて、いい気になって、何にでも応募するようになりました。そのあと『投稿の手引き』を読んで、自分の作った問題が載ったらお金がもらえるということを知ったんです。試しに問題を作ってみたら作れちゃったので、コンテストに応募するノリで45号にスリリンを6問投稿したら、1問掲載されました。それで図に乗って、いろいろなパズルの問題を投稿するようになりました

(竹)原稿料がもらえるのは大きかったですか?

いかこ大きかったですね。うちは『毎月のお小遣い』という仕組みがなかったんですよ。お正月にもらえるお年玉だけで一年間やりくりしなければいけなかった。年俸制ですね。だから、年の途中で収入があるのはとてもありがたかったです。それと、単純に投稿するのが楽しかったです

(竹)なるほど。そのあとはずっと投稿していました?

いかこはい。大学生までずっと投稿していました。『パズル通信ニコリ』が月刊誌だったころがピークでした。たくさん載りましたよー

(竹)そのあと大学を卒業して、ニコリに就職されたんですよね

いかこ大学5年生の11月のとき『月刊ニコリスト』(ニコリが毎月発行しているA5版12ページのミニ通信)で社員募集のお知らせを見つけました。それまでは『ニコリで働く』という選択肢は現実的じゃなかったので除外していたんですけど、募集しているんならやってみようかな、と思って応募したら採用されました。そういえば、当時の募集記事には『パズルを作ったり解いたりする仕事ではありません』という説明があったんですけど、結局いまはパズルの仕事をしていますね(笑)

(竹)いかこさんの作家としての能力が評価されたんでしょう。パズルの中身についてお聞きします。ケータイパズル数独では四角に切れの投稿が多いですよね。やっぱり好きだから?

いかこそうですね。むかしから好きです。ルールが簡単なのがいいです。問題を作りやすいパズルなのもいいところです。ただ、一時期ニコリに載っていませんでしたよね

(竹)たしかに、『パズル通信ニコリ』に四角に切れが載らなかった時期がありましたね。最近は人気が持ちなおして、毎号のように載っています。ケータイパズル数独やnikoli.comの功績かも?

いかこ私自身、ケータイパズル数独やnikoli.comがなかったら作ってなかったと思います。四角に切れはパソコンの画面で解くのに向いていますよね。四角に区切るのがすごく楽です

(竹)どんな四角に切れの問題が好きですか?

いかこ2、3、4のような小さい面積の四角がチマチマと決まっていく問題が好きです。大きい面積でズバッと決まるのも嫌いではないですけど、どちらかを選ぶならチマチマですね。それから、仮押さえで少しずつ候補が絞られていく問題も好きです

(竹)いかこさんが投稿する問題には、難しめのものが多いですよね

いかこそうですね。仕事で作るときは、ふだんパズルを解いていない人のために、易しいものを作ることが多いんですよ。なので、ケータイパズル数独のように自由に作っていいときには、難しいものを作りたくなることが多いです

(竹)解き筋でいうと『このマスに届く数字はこれしかない』という考え方を使う問題が多いように思います

いかこはい。好きなので。解くときにも、この解き筋をよく使います。ほんとうは別の場所から解かせたいのかな? と思うようなときも、解けちゃうからいいか、という感じで使っちゃうこともあります。この解き筋は探すのが大変だから、苦手な人は苦手ですよね

(竹)ボクも苦手な人のひとりです(笑)。ニコリに入社する前後で、パズルを作る上で変わったことはありますか?

いかこあります。易しい数独を作る腕はずいぶん上がったと思います。読者時代、数独はあまり作っていなかったんですよ。ニコリに入社して、必要に迫られて作るようになりました。解く能力も上がったと思います。毎日解いているから。クロスワードも入社前はほとんど作ったことがなかったです。作り慣れてきて、むかしクロスワード作家から聞いていた苦労話もわかるようになりました。過去に自分が作った問題と、言葉組みがかぶっちゃって作りなおしたり

(竹)なるほど

いかこところで、波及効果の話もしていいですか?

(竹)ああすいません、忘れていました。いかこさんは波及効果が大好きなんですよね?

いかこ好きです。なんで好きかっていうと、解き終わったことが一目瞭然だから。へやわけとか、ひとりにしてくれとかって、印をつけて解かないと、最後まで埋まったかどうかすぐにはわからないじゃないですか。波及効果は一目で終わったってわかるから達成感があります。コツコツやっていけばいつかは埋まるというのも波及効果のいいところだと思います。たとえば、スリリンの難しい問題なんかで『この解きかたを思いつかないと解けない』ということがありますけど、波及効果にはそういう場面はほとんど出てきません。地道な作業を続けていけばいつか報われます。すばらしい。同じ理由で、浮き出し迷路(正解路をぬりつぶすと絵になる迷路)や数独・ザ・ジャイアント(25×25サイズの数独)も好きです。まあ、数独・ザ・ジャイアントは最後まで解けたためしがないですけど(笑)

(竹)逆に、苦手なパズルはありますか?

いかこふくめん算虫くい算のような計算が必要なパズルは苦手です。ほかには、ヤジリンもちょっと苦手かも。線を引きながら黒マスもぬらなきゃいけないので、忙しいじゃないですか。ただの好みの問題ですけどね

(竹)パズルを作るとき、なにか意識していることはありますか?

いかこケータイパズル数独やnikoli.comに関しては、解く人に対して『こう解いてほしい』と思うものはあんまりないです。私が思いも寄らなかったところから解いてもらっても、それはそれでいいかなと思ってしまうんですよ

(竹)そうなんですか。あまりプロっぽくないような…

いかこそうですねー。仕事じゃないときは、ひとりの『投稿者』になります。アマチュアっぽいですね

(竹)パズル以外の話題を。休日は何をしていますか?

いかこ家事をしていることがけっこう多いです。親元を離れるまでひとり暮らしをしていなかったので、全部自分でやるのが楽しいです。なにかを手伝うより、一から全部コントロールするほうが好きみたい。最近は弁当を作るようになりました。といっても、自分用の弁当ですけど。ダンナさんはお昼はあまり食べないのでおにぎりだけ。家事というより趣味で作ってる感じですね

(竹)さて、そろそろ締めに入りましょう。あなたにとって、パズルとは何ですか?

いかこ生活の大部分。むかし趣味でやっていたころは『趣味と仕事を一緒にするのはどうなんだろう?』と思っていたんだけど、実際に一緒になってみたら、これもいいかなと思えました。仕事と離れた場でもパズルを作ったり解いたりしています。やっぱり好きだからなんだろうなあと思っています

(竹)それでは、解き手へのメッセージをお願いします

いかこ楽しんでもらえれば、それで十分です。それから、私の問題を解いて『これぐらいだったら自分でも作れるぜー』と思ってもらえればうれしいですね。パズルって、解くのも楽しいですけど、作るのも楽しいんです。ぜひ問題を作ってください。問題ができたら、ニコリに投稿してください。『パズル通信ニコリ』では、いつでも投稿を受け付けています

(竹)最後に社員らしいメッセージをありがとうございました(笑)


インタビュー : 2009年4月 2009年5月13日公開