作家インタビュー第29回 3次関数さん

インタビュー作家座談会

ひとりのパズル作家にじっくり語っていただくパズル作家インタビューのコーナーです。今回のゲストは3次関数さん。関西にあるK大学の4回生です。おお、若い。聞き手はニコリスタッフの(竹)。同じくスタッフの(金)も同席しました。

(竹)大学ではどんなことをされているんですか?

3次関数理学部で古生物の勉強をしています。といっても、フィールドに出るのが苦手なので、化石を掘ったりはしてないです。系統学、特に生物の骨の形態が変化していく過程について研究しています。鳥類の足の骨がどう進化してきたか、というようなことですね

(竹)おもしろそう! でも、古生物が好きなのにフィールドに出るのが苦手というのは…

3次関数じゃあなんで古生物やってるんだ、って話ですね。すみません(笑)

(竹)理学部といえば、ペンネームも理系っぽいペンネームですよね。3次関数といえばおもに数学で使われる言葉だと思うんですが

3次関数同じ数学用語のペンネームの『チェバの定理』というパズル作家がいますよね。まだパズルを解くだけだった時代に、あの人の問題を気に入っていたんですよ。数字の配置がキレイなので。彼のペンネームが数学用語で、ボク自身も数学が好きだから、彼にあやかって数学っぽい言葉を探して決めました

(竹)なぜ『3次関数』という言葉を選んだんですか?

3次関数3次関数のグラフって、必ず(1つの点を中心として)点対称になるじゃないですか。美しいなあと思ったんです。だから、2次関数でも4次関数でもなくて、3次関数でなければならないんです

(竹)マニアックな理由だなあ(笑)。ニコリと最初に出会ったのは?

3次関数小学校の高学年のころ、祖母の実家で見たのが最初です

(竹)おばあさんがパズルを解かれていたんですか?

3次関数そうですね。今でもやってますよ。投稿はしていないですけど、ニコリ歴は自分より長いです

(竹)お孫さんの作った問題を解いて、コメントを送ってこられたりして

3次関数コメントというほどじゃないですけど、『解いたよ』という知らせはたまにあります

(金)ご両親はパズルをやられてるんですか?

3次関数当時はやってなかったですけど、今はやってます。ボクの問題を投稿する前に『いっぺん解いてみて』って解かせることもありますよ。よく『あいかわらずヘンな問題作るねえ』なんていわれています(笑)

(竹)3次関数さんはかなり難しい問題も作られていますよね。かなり優秀な解き手かも

(金)最初に気に入ったパズルはなに?

3次関数ぬりかべでした。黒マスと白マスが同時にのびていくのが好きでした。今でも好きなパズルです

(竹)投稿を始めたのはいつごろですか?

3次関数中1のとき、『パズル通信ニコリ』(以下『ニコリ』)でいうと101号(2003年冬号)です。ぬりかべとモチコロを載せてもらいました。そうそう、モチコロ大好きなんですよー。ぜひ復活させてください!

(竹)まあ、それはまたの機会に話すということで(笑)。投稿を始めたきっかけはなんだったんですか?

3次関数当時、『ニコリ』で作りかたを紹介しているコーナーがあったんですよ。あれを見て、意外にカンタンに作れるんだなあと思いました。たぶんそれがきっかけです。それまでも作ることに興味はあったんですけど、どうやって作るのかわからなかったんですよ。あのコーナーを読んで、なんだ、そんな気軽に作っていいもんなんだとわかりました

(金)中1で作りはじめてからは、今までずっと作り続けているんですか?

3次関数はい。受験だから控えておこう、といったことはありませんでした。そもそも、ずっとパズル作りばっかりやっているというわけでもないですしね。ボクはたぶんパズルを1問作るのにそんなに時間をかけないほうだと思います。時間をかけず、一気に作りあげないといい問題ができないんです。10マス×10マスの問題だと10分くらいで作りあげることもあります。忙しいときでも、それくらいの時間なら取れますよね(笑)

(竹)3次関数さんの作る問題は、手ごたえのある問題が多い印象があります。難易度へのこだわりはあるんでしょうか?

3次関数難易度については、わりとテキトーに作っています。ただ、作っているうちに、ヘンなことや『これはちょっとおもしろそうだ』と思うことをしてみたくなるんです。そうすると、自然に難しくなっちゃうんですよね

(金)始めから難しくしようと思って作っているわけではないんですね

3次関数そうですね。大きいサイズの問題で『少し難しくしたほうがいいかな』と意識することはありますけど、せいぜいそれくらいです

(竹)ほかに問題を作るときに意識していることはありますか?

3次関数ぬりかべの小さいサイズは、数字の位置が点対称になるように置いています。ぬりかべ以外でも点対称配置はわりと意識しています。へやわけみたいに、点対称配置だと制限がキツすぎていい問題を作りにくいパズルではやってないですけど

(竹)なるほど。ほかの作家の作品は解かれてますか?

3次関数はい、解いてますよ。一時期は全部解こうとしていたこともあります。最近でも小さいサイズの問題はほとんど全部解いています。大きいサイズの問題は、nikoli.comだと解いた人のコメントを眺めて、評判がよさそうなものを中心に解くようにしています。大きいサイズは解くのも作るのも気合がいるので、全部は無理ですねえ

(竹)好きなパズル作家はいますか?

3次関数Castyさんです。よく名前を見かける作家ですよね。それでいて、見た目も整っているし、解いても質が高くて、すべてにおいてレベルが高いと思います。問題数だけじゃなくて、作れるパズルの種類が豊富なのもすごいです

(竹)確かにすごいですよね。好きなパズルはなんですか?

3次関数『ニコリ』に載ったことがあるすべてのパズルのなかでいちばん好きなもの、という意味ならモチコロです。ケータイパズル数独やnikoli.comのなかではぬりかべがいちばん好きです

(竹)モチコロ、こだわりますね(笑)

3次関数はい(笑)。『ニコリ』に載らなくなったときはショックでした。白マスが長方形に固まるというのがいいんですよ。ぬりかべが好きだといってるくせにあれなんですが、長方形のようなキレイな形が好きなんです。そういう意味では四角に切れもパズルとして好きです

(竹)苦手なパズルはありますか?

3次関数数独です。特にハードな数独の問題を作るのが苦手です。ハードの手筋はわかっているんですけど、問題に組み込んでもつぶれちゃうんですよ

(金)つぶれちゃうよねえ。別のところからやさしい手筋で決まったりして

3次関数ほかに、漢字系のパズルも苦手です。あまり漢字を知らないので(笑)

(竹)パズルから離れた話題もしましょう。パズル以外にハマっている趣味はありますか?

3次関数いろいろありますよ。アニメとか、鉄道とか、競馬とか

(金)趣味が広いなあ

(竹)鉄道が趣味といっても、乗るのが好きだとか、車両に興味があるとか、いい写真を撮りたいとか、分野がいろいろありますが、どうでしょう?

3次関数どちらかというと車両が好きです。今日ここに来るまでの新幹線も、わざわざ500系車両を選んで乗ってきたんですよー。2月いっぱいで東海道新幹線から引退してしまうので、ちょうどいい機会だなあと思って。でも、いちばん好きなのは通勤型の電車なんです。子どものころから好きです。通勤型車両って、同じ形でも路線によって色のぬりわけが違っていたりしますよね。そういうところをおもしろがっていたみたいです

(竹)競馬が趣味ということは、馬券をよくあててるんですか?

3次関数いえ、馬券はそんなに買わないです。あてるより観るほうがメインですね。それも障害競走をメインに観ています。中学校のときの友だちが障害競走が大好きで、前の年に行われたすべての障害競走が入ったビデオをいっしょに観ているうちに、自分もハマってしまいました。平地レースもいちおう観るには観るんですが、障害競走みたいに未勝利戦だろうがなんだろうがチェックする、ということはしないですね。障害と平地はぜんぜん違います

(竹)障害レースの魅力はなんですか?

3次関数人馬一体感です。馬を競走馬として育てていく段階から、ジョッキーと馬の連係があったりするんですよ

(竹)なるほどー。ボクも今度チェックしてみようかなあ。さて、そろそろお時間が迫ってきました。これだけは聞いておきたいです。3次関数さんにとって、理想のパズルとはなんでしょう?

3次関数楽しみの幅が広いパズル、つまり、誰が解いても楽しく解けるパズル、が理想です。たまに、やさしい問題なのに、上級者が解いてもすごいと思える問題ってあるじゃないですか。やっぱり楽しんでナンボだと思うので。今のボクにはまだそういう問題を作れないので、あこがれます

(竹)では、最後に、解き手のみなさんへのメッセージをお願いします

3次関数解きたいように解いてください。ボクは自分の問題について『こう解いてほしい!』という気持ちはありません。パズルだけじゃなくアニメなんかでもそうですけど、創作物には作り手が伝えたいイメージや気持ちというのがこめられているんです。でも、味わう側は、作り手側のことを考えないで、感じたように、思ったように楽しんでほしいです。もしボクのパズルで楽しめなかったら、そのときはごめんなさい

(竹)今日はありがとうございました!


インタビュー : 2010年1月 2010年3月9日公開