パズル作家座談会 第2回

インタビュー作家座談会

パズル作家座談会第2回のゲストは、中井亮平さんにょろっぴぃさん。nikoli.comのパズル作家のなかでは数少ない学生さんです。

(竹)今日は『若手作家とパズル』というテーマで語り合いたいと思います。おふたりともまだ学生ですよね。今は夏休み真っ最中?(注:このインタビューは7月末に行われました)

にょろっぴぃそうですね。でも、意外と忙しいですよ

(竹)学生だからって暇なわけじゃないんですね

(金)まだテストも残っているのかな?

にょろっぴぃはい、残っています

中井亮平うちの大学でもまだテストが残っている学生がいますよ。ボク自身はヒマですけど(笑)

(竹)ではでは、さっそく本題。ぜひ話したいなと思っていたことがあるんです。世の中にはいろいろなペンシルパズルがありますが、『若い人に好まれやすいパズル』ってあるんでしょうか?

中&にうーん、どうでしょう

(竹)前にも聞いたけど、おふたりの好きなパズルはなんでしたっけ?

中井亮平スリザーリンクや美術館、四角に切れです

にょろっぴぃマスをぬるパズルが好きです

(竹)たとえば、数独やカックロのファンには、ご年輩の方が多いように思うんですよ

にょろっぴぃ確かに、数独は苦手ですね

中井亮平ボクも数独は苦手です。カックロは好きですけどね

にょろっぴぃうちの大学のパズル同好会でも数独やカックロはあまり人気がないですね。高校ぐらいからパズルを始めた方が多いんですけど、意外ととっつきやすいのかぬりかべやへやわけが人気ですね

(金)数独は若者にはウケないのかなあ? なんでだろうね?

(竹)数独はひとつひとつじっくり埋めていくタイプのパズルですよね。ぬりかべはがーっと進むことも多いから、そのへんも関係あるのかな?

にょろっぴぃ難しい数独って1カ所で何分間も悩むことがあるじゃないですか。たまにイライラしてきますよね

(竹)イライラしちゃうのが原因なの!?

中井亮平パッと見でどこから解けるかわからないじゃないですか?

(金)確かに、たとえばぬりかべって、数字がナナメに接しているところとか、2つの数字があいだに1マスだけ挟んで並んでいるところのように『初心者でもなにも考えずに黒マスがぬれる』という場所が必ずあるよね。逆に数独は、最初から全体を眺めながら数字が入る場所を考えないといけない。それが数独の味でもあるんだけど。わかった。若者は考えるのが嫌いなんだよ!

一同えー!?

(竹)ひとつのパズルに限っても、若者が好きな解き筋、苦手な解き筋というのはあるんでしょうか? たとえば四角に切れ。最近、大きい数字を使って大胆に盤面を切らせる問題が流行していますよね

中井亮平そうですね。ボク自身は流行を追いかけてないですけど

(金)でもたとえば中井さんも、nikoli.comの大きなサイズの問題で1×15の長い四角を使ったりするよね

中井亮平よく使いますね。長い四角を一直線に伸ばすのは好きです

(竹)ああいうノリって、むかしはあまりなかったですよね

(金)なかったね。四角に切れはnikoli.comで変わったね

にょろっぴぃそもそも、大きな盤面の問題で『2』や『3』のような小さい四角を使ってチマチマ決めるのは、せっかく大きい盤面なのにもったいないと思うんですよ

(竹)気持ちはわかります。でも、チマチマを積み重ねて解きあげる楽しさというのもあるんじゃないかなあ

にょろっぴぃチマチマの楽しさはもちろんあるんですが、それは小さいサイズの問題でやればいいと思うんですよね

(金)そのへんは各人の好みだろうね。ニコリはどちらの立場も尊重します

(竹)話題を変えて。社会人の作家と比べて、学生であることのメリットってありますか? たとえば、パズルにかけられる時間は多いと思うんですが

中井亮平多いですよ。いざとなったら授業中にも作れますし(笑)

(金)にょろっぴぃさんは?

にょろっぴぃうーん、ボクは授業中にはほとんど作っていませんねえ。なんか作りにくい雰囲気で(笑)

(竹)人によるのかな?

にょろっぴぃほかの趣味が多いせいかもしれません。パズルに専念すればもっと時間があると思いますね

(金)一般論としては、たぶん、ふつうのサラリーマンよりは時間があるよね。毎日10時から18時まで会社に拘束されるわけでもないし

(竹)あと、大学でパズル仲間を作りやすいというのも若手作家のメリットだと思います。どうでしょう?

にょろっぴぃそれはありますね。大学で同好会も作りましたし

(金)中井さんは?

中井亮平ボクは同世代にはあまり濃い仲間がいないんですよね

(金)TK大(中井さんの通っている大学)にはパズル同好会ってないんだっけ

中井亮平ないです。TK大出身のパズル作家はけっこういるんですけど

(竹)大学の学風なんかも関係するんですかねえ?

にょろっぴぃボクの場合、あまり深いことを考えずに作っちゃったのがよかったのかもしれません

中井亮平同好会作るってすごいですよね。エネルギッシュです

にょろっぴぃ今のボクにはあのときのエネルギーはもうないですね。最近は考えかたが手堅くなってしまって(笑)

(竹)若さゆえのエネルギーですね。逆にデメリットってありますか?

(金)お金がないこととか?

中井亮平それは逆にメリットですよ。いっぱい作ろうというモチベーションになります(笑)

にょろっぴぃボクも同じです

(金)なるほどね

にょろっぴぃデメリットになるかどうかわからないんですけど、まわりのパズル作家がみんな年上だというのが個人的にはちょっと難点でした。作家の会合に最初に出席したとき、まわりに話しかけづらかった記憶があります。仲のいい人ができたので、今はあまり気にならないんですけれど

(竹)なるほど。若いパズル作家がもっと増えるといいですね

中井亮平ところで、nikoli.comのボツ箱(ふつうに出題する問題としてはボツだけど、そのまま日の目を見ないで消えてしまうのはもったいないと判断され、専用コーナーに公開された問題)に問題が載っている作家って、若い人が多いですよね

(金)若いというか、とんがった人が多いね。いい意味で。339さんとかアスピリンさんとか

(竹)逆に『この人はボツ箱に載るような問題は作らないだろう』という人もいますよね。載ればいいというわけでもないですが

(金)でも、ボツ箱に自分の問題が載ることはある意味で勲章だと思うでしょ?

中井亮平はい

(金)ボツ箱が勲章だと思うのは若い証拠だよ

中井亮平思いますけど、自分の問題でボツ箱を目指すことはないですね

(金)中井さんはどちらかというとサクサク系のほうだもんね。にょろっぴぃさんはたまにイッちゃってる問題も作るよね

中井亮平ボツ箱じゃないですけど、こないだの美術館(nikoli.comで2009/07/20に出題されたにょろっぴぃさんの大サイズ美術館。高等テクニック満載の難問)はすごかったですよね

にょろっぴぃすごかったですね(笑)。ほかの作家さんからもいろいろコメントもらえました

このあとボツ箱やパズルの解き味についての深い話題になりましたが、深すぎるので割愛します

(竹)さて、おふたりはこれから社会人になりますよね。パズルに注げる力が減ると思います。意識したことがあります?

中井亮平時間は減ると思いますけど、パズルそのものをやめることはないですよ

(金)『学生時代にハマったもの』で終わるんじゃなくて、一生やっていけそう?

中井亮平はい

にょろっぴぃボクも同じですね。ほかのいくつかの趣味のなかで淘汰されながら、もう10年くらいつきあってこれたので、これからも続けられると思っています

中井亮平あと、パズルを通して知りあった人たちがたくさんいますから。よくしていただいた方もいっぱいいます。その人たちとのつながりが切れるのはイヤですね

(竹)うれしいコトバをありがとうございました!


座談会開催 : 2009年7月 2009年9月15日公開

関連リンク