パズル作家座談会 第24回

インタビュー作家座談会

パズルについてあれこれ語る ~ぺんしるろけっと&裄紘の巻~

ケータイパズル数独やnikoli.comの問題を作ってくださっている作家さんをおよびして語りあう、作家座談会のコーナーです。今回のゲストは、ぺんしるろけっとさん、裄紘さん。nikoli.comの作家陣の中では比較的若手なおふたりです。ニコリからは(金)(竹)が参加しました。

(竹)きょうは『パズルについてあれこれ語る』と題して、特にテーマを絞らずに広くパズルについて語りあいたいと思います

(金)このシリーズは過去に2回やってるんですけど、2回ともわりとベテランさんどうしの話でした。今回は若手っぽい作家にあれこれ語ってもらおうということでおふたりをおよびしました

裄紘過去2回の人って、すごく濃い話をしていましたよね。私はそんなに語ることあるかなあ

(金)過去の内容は気にしなくていいですよ

(竹)おふたりが実際にどれくらい若手なのか、調べてみました。過去の『あれこれ語る』参加者でいちばんニコリ掲載歴が浅いのはまいなすよんさんで、最初に『パズル通信ニコリ』に作品が載ったのは80号です。ぺんしるろけっとさんは100号、裄紘さんは113号が初掲載。もう『ニコリ』が季刊になってからですよね

ぺんしるろけっとそうですね

裄紘どこから若手でどこからベテランかの線引きって難しいですよね。私にとっては、ぺんしるろけっとさんはベテランのイメージがあります。初めて買った『ニコリ』で、スーパージャイアントのましゅが載っていました

ぺんしるろけっとああ、110号ですね

裄紘そうです。もうしわけないんですけど、実はいまだに解けていません(笑)。何度かハタンして解きなおしているので紙面が汚くなっちゃって

(竹)ぺんしるろけっとさんにとっては、大きいサイズが載ったのはそのときが初めてですか?

ぺんしるろけっとはい。それまでも投稿していたんですけど、載ったのはあれが最初です。送り始めて3問めでした

裄紘ペンネームも個性的だったんで、当時からすごく印象に残っていたんです。まさか、その方とこういう場で話すことになるとは

(竹)改めて今日はよろしくお願いします。おらけさんまいなすよんさんの回にやろうとしてやや消化不良ぎみに終わった、パズルを食べ物にたとえる話をしましょうか

裄紘なんとなくですけど、ましゅは和菓子っぽいイメージがあります。見た目というか雰囲気というか…黒丸に線が通っているところが、おはぎに見えませんか?

(金)そういえば、ましゅが生まれたころに『ニコリ』で似たようなことを言っていましたね。白丸が3つ並んでいるところをだんご3兄弟とよんだり

裄紘ヤジリンは、いつ解いても、そのときの流行りのスイーツというイメージがあります

(金)私はフランス料理のイメージがあるなあ。素材の味というより、シェフが手を加えて作り込んでいる感じ

ぺんしるろけっとなるほど

(竹)素材の味で勝負していない、という意味では、スイーツにも共通するところがあるのかな?

裄紘ケーキ単品でなく、いろいろ盛り合わせた感じですね。数字と矢印が両方入っている、という見た目の感じがそう思わせちゃうのかなあ

(竹)確かにnikoli.comのパズルだといちばんゴテゴテした見た目かもしれませんね

裄紘今度、シャカシャカ(白マスを三角形にぬって、ぬらない部分で四角形を作るパズル。2012年夏にnikoli.comでも出題開始予定です)がnikoli.comに入ってきますよね。そうすると印象が変わってくるのかな?

(竹)シャカシャカはどうでしょうか? ゴテゴテはしていないと思うんですけど

(金)あれは葛餅でしょう。三角に切るから

(竹)見た目だけでたとえるとそうですね

裄紘個人的には、葛餅はへやわけのほうが近いと思います。飾り気がないけど、深い味わいがあるぞ、というような。そうすると、シャカシャカは…うーん、なんだろう

ぺんしるろけっと白い四角ができる、ということでふつうの餅はどうでしょう。ああでも、餅といえばモチコロがあるか

(竹)この際、モチコロには配慮しなくてもいいでしょう

裄紘シャカシャカには、あんまり甘くないイメージがありますね。辛いイメージもないですが

(金)逆に、辛いイメージのあるパズルってなに?

ぺんしるろけっと単純に難しいパズルには辛いイメージがありますね。もしくは自分が苦手なもの

(竹)ぺんしるろけっとさんは辛い食べ物が苦手なんですか?

ぺんしるろけっといえ、そんなわけではないです。辛いものは好きです。でも辛いパズルというと難しいもの、苦手なものが思い浮かびます

(金)じゃあ、すっぱいパズルってなんでしょう

裄紘スリザーリンクはすっぱいイメージがあります。酸味がきいている

(竹)ああ、言われてみれば。シュパシュパっと線を引いていく感じ

裄紘数独は苦いイメージがあります

(金)おお、確かに

(竹)同じ数字を入れるパズルということで、カックロはどうでしょう

(金)金平糖かな。見た目はゴツゴツしているけど、舐めると甘い

裄紘ビジュアル的にはそうですね。ただ、カックロも味は苦い気がします。数字を入れていくパズルは苦いイメージがあります

ぺんしるろけっとフィルオミノは数字を入れるけど、甘いほうだと思います

(金)ぬりかべは海苔っぽいよね。見た目だけですけど

裄紘ぬりかべは、甘いチョコレートケーキのイメージがあります。たまに、しつこく感じてしまうくらい甘すぎることがあります

(竹)しつこいってちょっと後ろ向きな表現ですね。ぬりかべ好きなぺんしるろけっとさんとしてはどうですか?

ぺんしるろけっとボクは甘いもの好きなので(笑)。甘すぎるとかしつこいとか感じることはないです

(金)じゃあ、ひとりにしてくれは?

ぺんしるろけっと苦いイメージかなあ

裄紘苦いけど、数独とは性質の違う苦さですね。数独は生薬系の苦さなんだけど、ひとりにしてくれはもう少し人工的な感じがします。たとえは悪いんですけど、スプーンを舐めたときの苦さみたいな

(金)なんとなくわかる気はします

(竹)あまりおいしそうな感じがしないですよ。もっとポジティブにいきましょう(笑)

ぺんしるろけっとひとりにしてくれが苦いというのは賛成ですけど、ボクの好きな苦さです

(竹)あちこち視線を動かすパズルは苦く感じるんでしょうか?

(金)美術館は苦い? 解くときにあちこち視線を動かします

裄紘あのパズルは問題によって味が変わりますよね。カンタンな問題は飴玉みたいなイメージがあるんですけど

(金)飴玉だと口の中で溶けるまでに時間がかかるからちょっと違うかもしれません。カンタンな美術館はすっと解けるから…綿菓子かな

(竹)しっくり来るような、こないような

(金)ナンバーリンクは?

裄紘パズルとして異色な感じがしますね

(金)異色ですよね。食べ物にたとえると…ゲテモノ?

裄紘ゲテモノとはちょっと違う気がします。たまにオモパ(『ニコリ』の名物コーナー『オモロパズルのできるまで』で生まれるパズル)でヘンなルールのパズルが載っていることがありますが、ゲテモノというとそういうパズルのイメージがします

(竹)ナンバーリンクはルールが完成されていますもんね

(金)ところてんかな? 味があるような、ないような感じ。つるっとのどごしがいい

裄紘私は酢醤油派なので、ところてんにつるっといくイメージはないです

(竹)ナンバーリンクにもつるっといかない問題もあるからちょうどいいかも

裄紘つるっといくと思って飲み込もうとしたら、たまにむせる。ナンバーリンクっぽいですね(笑)。橋をかけろはどうでしょう

(金)あまり強い味はないというか…主食にはならない感じがしますね。かといっておかずという感じでもない

裄紘炊き込みご飯?

(竹)主食のご飯でなくて、おかずでもない

(金)パンにたとえると、焼きそばパン?

ぺんしるろけっと焼きそばパンは主食っぽいような

裄紘炭水化物と炭水化物が合わさったような感じというのは、合っている気がします。ラーメンライスでもいいですけど

(竹)ほかにnikoli.comに載っているパズルとしては、波及効果が残っていますね

(金)あれも数独と同じで苦いよね

ぺんしるろけっとでも、数独のほうがより苦いと思います

裄紘柑橘的な苦さですね。後味が苦い

(金)パイのイメージがあります。もしくはミルフィーユ

ぺんしるろけっと積み重なっているイメージですね。ボクもそんなイメージがあります。最大の数字から順に全体を見て埋めていく、という激辛問題を見たこともありますし

裄紘手順を踏んで解いていく感じはしますね

(竹)確かに少しずつ外側からはいでいく感じがあります。苦くて積み重なっているということで、煮たタケノコ?

裄紘もしくはサザエの壺焼き。中身を取らなきゃいけない。中身は苦いし

(竹)でも、サザエの壺焼きって中身が最後までうまく取れないときがありますよね

裄紘波及効果も、最後まで解けずに途中でハタンしちゃうことがあるからちょうどいいかも

一同なるほど!

(竹)おふたりがこういう形で話す機会はあまりないと思います。お互いの印象はどうですか?

裄紘ぺんしるろけっとさんの作る問題って、なにかしら個性的な部分があると思うんですけど、その個性的な部分が嫌らしくないんですよね

ぺんしるろけっとボクは、自分がどういう傾向のパズルを作っているのか、というのはあまり気にしたことがないです

(竹)とんがった問題を作ろうという気持ちはないんですか?

ぺんしるろけっとときどき、変わった問題を作りたいな、という気持ちになることはあります。でも、基本的には自然体で作っています

(金)自然体というのはすごく伝わります。とんがった問題を作りたいと伝わってくるのは、裄紘さんのほう

裄紘いやまあ、でも、ふつうの問題も作りますよ?

(金)もちろん、ふつうの問題も作っています。でも、なにか変わったことをやりたい、人を驚かせたいというのが作品から感じられます

裄紘nikoli.comの作家になったときに、まず解く人に自分の名前を覚えてもらえたらいいな、というのがあったんです。それでヘンな問題を作り始めたら、ハマっちゃいました

(金)作家がみんながみんなそちらの方向に行っちゃうと困るんですけどね。でも、実際はそうなってはいないからだいじょうぶです。とんがった問題を目指すと、作るのに時間がかかるようになりませんか?

裄紘私は、ネタが思いつかないときはオーソドックスな問題を作るようにしているので、時間がかかるということはそんなにないです。ただ、オーソドックスな方向にはすごい作家がたくさんいるので、私の問題じゃ厳しいのかなと思っています。ぺんしるろけっとさんもそのひとりなんですけど

ぺんしるろけっとそうなんですか

(金)裄紘さんの問題は、オーソドックスなものでもおもしろいですよ。おふたりには目標としている作家はいるんですか?

裄紘作家を始めたあたりで、深駆さんやアスピリンさんの影響を受けているので、目標にしています

ぺんしるろけっとボクは、あぶら虫さんのぬりかべが目標です。最初に解いたぬりかべのインパクトが残っています

(竹)インタビューでも言ってましたね

ぺんしるろけっとはい。今でも超えられてはいないと思っています

(金)ぺんしるろけっとさんは、大学院に進学されるんですよね。これからもパズルは作り続けますか?

ぺんしるろけっとそのつもりです。今日裄紘さんと話していて、ボクのパズルはマイルドというか、あまりとんがっていないパズルを作っていると思われているんだとわかりました。だから、とんがっているパズルも作っていきたいと思います

(竹)今日はありがとうございました。これからもおもしろい問題を作り続けてくださいね


座談会開催 : 2012年2月 2012年3月12日公開

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